Panasonic参入


パナソニック、住生活グループ 業界最大手が太陽電池に参入

パナソニックは、昨年12月に子会社化した三洋電機の太陽電池「HIT」を武器に、2012年度に国内首位を狙う。住生活グループも太陽電池の製造・販売会社を設立した。業界の勢力図が大きく塗り替わりそうだ。
 太陽電池の業界紙、PVニュースが公表した2008年における世界の太陽電池生産量のメーカー別シェアは、国内メーカーではシャープが6.9%で4位に入ったほか、京セラ(4.3%)が5位、三洋電機(3.3%)が11位だった。

 単結晶シリコンの上に薄膜アモルファスシリコンの層を重ねて蒸着した三洋電機の太陽電池「HIT」は、セルの変換効率が20%と世界トップクラスを誇る。だが従来は、価格が比較的高いことや生産能力が十分でなかったことなどから競合他社に先行されていた。
 三洋電機をグループに加えたパナソニックは、2010〜15年度に1000億円規模を投資し、HITの生産量を2010年度に年間60万kW、2012年度に同85万kW、2015年度に同150万kWに引き上げる。2012年度に国内で首位、2015年度には世界上位3位入りを目指す。三洋電機は統合前の昨年11月に、2012年度に80万〜110万kWと推測される国内市場で約4割のシェアを握りたい考えを明らかにしている。

甲子園とHONDAの関係

甲子園内野席屋根にホンダ子会社の薄膜太陽電池
 本田技研工業の子会社で太陽電池製造・販売のホンダソルテック製の薄膜太陽電池が、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で使用されることになった。同球場のリニューアルに伴って「銀傘」と呼ばれる内野席屋根に設置。推定発電量は年間約19万3000kWh、年間で133tのCO2排出量を削減する。

 稼働した薄膜太陽電池は、銅・インジウム・ガリウム・セレンの化合物を素材にした薄膜を発電層に使った次世代型太陽電池。発電層を薄い膜状にすることで製造時の消費エネルギーやCO2排出を減らし、製造時から環境に配慮しているという。一般住宅用を2007年に発売し、2008年からは同球場に設置したような公共・産業用商品も販売している。

 年間推定発電量の19万3000kWhは、同球場を本拠地にするプロ野球球団、阪神タイガースが1年間に同球場のナイトゲームで使う照明の電力量に相当。同球場全体の年間消費電力量の約5.3%を賄う。133tのCO2は、同球場11個分約40万m2の森林が吸収するCO2と同程度で、57kLのガソリンを燃焼した際のCO2量に当たる。

  ECO JAPAN より