先日の中国に続きアメリカの建築ラッシュについて考えてみます。
2021年5月現在も住宅販売の繁忙期にあたる春季、全米で購入希望者が少ない物件を巡り争奪戦を繰り広げています。入札合戦は普通で、物件確保に向けた戦術も展開されています。
需要は非常に旺盛で、国内の物件のほぼ半数が市場に出てから1週間以内に売れるという記録的なペースです。3月は年間の17%に達しデータのある2012年以降最高でした。
記録的な低水準の住宅ローン金利と新型コロナウイルスのパンデミックでリモートワーク用に広めの住宅を希望する動きに後押しされ昨年始まったブームがここに来て加速。景気回復への楽観的観測が強まり、借入コストの上昇も予想される中、約1年間の巣篭もり状態で潤沢な貯金を持つ人達が参入している。
需要に対して供給が少ない現状は今保有している不動産を売却してもより良い物件を手にすることが困難なのではないかと住宅所有者が考え、売却に消極的なことも挙げられる。パンデミックの中で自宅が「オープンハウス」となり他人が出入りするのは避けたいという傾向もある。ただ売りに出した人たちはかなりの見返りを受けている。
今回のブームは特にローン金利が過去最低水準から上昇基調を見せていることも有り、住宅価格が潜在的な買いて候補たちの手の届かないレベルに達することで終焉を迎える恐れもある。感染が収まってくれば、売却を先送りしていた人達が決断し、市場で在庫が増えることもある。
徐々にではあるが建築ラッシュが緩やかになり、米松材の入荷が今より少しでもマシになることを切に願います。