米国の住宅着工件数は11月に予想外に減少し、7月以来の低水準となった。ハリケーン被害を受けた南部地域での急回復が寄与して一戸建て住宅は持ち直したが、集合住宅の落ち込みがこれを相殺した。
一戸建て住宅の着工件数は6.4%増の年率101万戸となる一方、集合住宅は23%余り減った。9月下旬から10月にかけてハリケーンにより遅延の影響が出ていた南部では、一戸建て住宅の着工が18.3%伸びた。
一戸建て住宅の建設許可件数はほぼ変わらずの年率97万2000件となった。
建設中のプロジェクト数は1.8%減の年率143万戸となり、ここ約3年で最も低い水準となった。建設中の一戸建て住宅は21年3月以来の低水準となった。
建設業者は大量のプロジェクトに取り組んできたが、完成件数は8月にピークを迎えて以降、3カ月連続で減少している。ここまでマイナスの期間が続くのは21年以来だ。
一方、ローン金利の高止まりも住宅需要を下押ししている。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のアナリスト、ドルー・リーディング氏は「建設業者は顧客を呼び込むため、住宅ローンの支払い額を軽減するための支援策を提供したり、時には価格を引き下げたりしており、これが利幅を圧迫している」と指摘。ここ数週間に住宅建設株が急落したのは、今後も販売促進策に頼らざるを得ない可能性が高いと見られるためだと述べた。
やはり米国もコロナ期に前借特需のように建設をしていたため、今は元に戻った感よりも建築数が減ったような感覚になっている気がします。一時の特需と比べるのは余りいい方法とは思えず、需要と供給のバランスは常に動き続けているのを認識しながら、必要なものを必要な時に必要なだけ供給できる体制を整えていかなければと感じています。