中国の建築ラッシュはいつまで続くのか?

アメリカ同様中国の不動産市場も依然としてバブル的な状況である。コロナ禍に対応するための金融緩和を受けて、住宅販売床面積は新型コロナウイルス感染症の流行前を大きく上回る水準へと拡大した。不動産開発企業による乱開発が見られる他、不動産価格の高騰も問題となっている。

しかしアメリカ同様、過熱感が見られる不動産市場において、投資が減速すると見られる。不動産市場の過熱抑制に向けて、政府は2020年12月31日から住宅ローンの総量規制を実施していることが明らかになった。上海や広州、深センでは既に融資額が上限に達したために、住宅ローン業務を停止する銀行が見られています。

金利の面でも、中国人民銀行は市場金利を高めに誘導しており、住宅ローン金利の上昇に反映される可能性がある。本年1月には、馬駿・中国人民銀行金融政策委員が「資産バブルは比較的大きい」と発言したことで金利の先高感が一段と強まっている。こうした状況を踏まえると、今後住宅販売は抑制され、不動産価格や開発投資の過熱感が和らぐと見込まれる。

そうなると日本にももう少し木材が入荷するのではという淡い期待が持てる気がしています。

木材不足で林野庁に調達困難訴える

4月14日に林野庁が現在の輸入材供給減少と国産材への代替需要増加について、臨時の情報交換会を開いた。輸入材、国産材の関係団体と住宅関係団体が参加。

プレカット工場や工務店からは、木材調達に苦労している、減産を余儀なくされてるなど、厳しい状況が伝えられた。

かなり遅い対応とは思いますが、伝わったことは良い事だと思います。もう既に1企業がどうにかできるレベルはとうに超えており、企業努力のしようがないところまで来ています。家が建たないという事は我々材木屋だけではなく、大工さん、電気屋さん、設備屋さんなどなど家に関わる全ての職業の人が仕事がなくなります。

国交省も木材製品不足について情報収集されているみたいです。

米国の住宅着工増からコンテナ遅れ、輸入材の入荷減と価格高騰など色々な情報が出ている。

何か良い方向に進んでくれることを期待いたします。

材木不足

材木不足は先日もお伝えした通りですが、本当にいよいよプレカットが予定通りできない事態が発生してまいりました。

できる限りのこと(樹種変更やハイブリットビームへの変更などなど)はしておりますが、お客様の望まれる日程でプレカットができる確率は減る一方です。ただし全くできないわけではないので、工務店様にはお施主様との日程のすり合わせをお願いしながら、進めていってます。

とてもありがたい話ですが、新規の工務店様からのご注文を頂くのですが、今までお付き合いのある工務店様にもご迷惑をかけてしまってる現状ですので、誠に残念ですが、お断りさせていただいております。

1日でも早くこの材木不足が収束することを願います。

今の現状は船がないことが大きな原因になってます。

国に何とかして貰わなければ、我々の力ではびくともしません。何か動きがあることを切に願います。

弊社の考える対応

今すでにプレカット工場から、新規の工務店様の受注は受けつけませんとの文章が来ています。

弊社としても当然今までおつきあいのある工務店様の物件に対して、何とか材木を納めようと言う考えで進めております。その中で、樹種変更や材積の変更、金額のアップはどうしようも無く、この辺りは受け入れていただけることが前提でお話を進めさせてただいております。又、完了図面ができたとしても、材料がなければお待ち頂くこともご了承の上でお話させていただいております。

私たちも全部のお客様の物件をお受けしたのですが、どうしても今までの実績に照らし合わせた感じのご対応になってしまいます。これは私達も同じで、プレカット工場からも去年の実勢に伴っての配給になりますと言われています。

又、建前の時期や工期の変更なども合わせてお願いしなければならない状態です。

私たちのできることは全てやり尽くす所存ではございますが、何分このような状況ですので、皆様のご協力をお願いいたします。1件でも多く立てることが出来ますよう、不要不朽の在庫はお断りさせて頂いております。重ねてご了承の程、宜しくお願いします。

なぜ木材が入らないのか

【要因・コンテナ問題】

①    アメリカの経済状況と住宅着工数の好調な影響を受けて、世界中からの物資がアメリカに集中し、

そのため、物流コンテナがアメリカに滞留をしていることが原因。

このコンテナ滞留に関しては、物量に比べて港湾作業人工が不足しており、物理的に滞留が起きる状況。

港湾内だけでなく、海上にもコンテナ船が滞留しており、解消時期は不透明。

これに加え、陸送する車とドライバーの人数も、物量に比べて貧弱であり、これも滞留の原因。

②    コンテナ自体の劣化に伴う更新が、コロナ禍であることを考慮して需要が減少する予測のもと、

コンテナの新造を控えたことからも、コンテナ不足が発生している。

③    上海、高雄、釜山などのトランジット港にもコンテナ船が滞留をしており、この荷捌きにも約1か月かかっている状況。

④    通常はコンテナ配送は往復ともに、荷積をして世界中を巡回しバランスを取っているが、ここ最近は、中国が空のコンテナを強引に、中国に引き寄せているという状況も発生している。これで、コンテナの巡回バランスがさらに悪くなっている状態。

⑤    今回、スエズ運河にてコンテナ船が座礁し、運行に支障をきたしていることも、今後に影響を及ぼす。

【要因・歴史的背景】

①    木材の羽柄材に関しては、過去から慢性的に供給過多の状況であり、不足感はなくオーダーすればいつでも手に入る状況が続いたため、昨年夏にサプライヤーが供給を絞る(生産調整)を行った。

この同時のタイミングにて、上記のコンテナ不足が発生して、輸入物の供給にダブルショックとなったため。

②    この羽柄材の国内製造キャパは、総供給量の 30-40 %程度で、総需要を賄うには乖離があり過ぎたため。

【木材関係の品薄に関して】

上記のコンテナ問題により、北欧からのラミナー材(柱・梁の原料)の入荷が不安定で、国内製造もこの原料の入荷次第ということで、今後の生産計画が作れないし、見込みが立たない状況。(先が見通せない)

この様な中で、羽柄材においても、上記の様なことが原因で、国産で賄うことも出来ずに品薄状況が続いている。

現在、市場ではパニック状態となっていることにより、どこまで素材が行きわたっているのかも不明な状況。(仮需が起きている可能性が高い)